リノベーションとは
リノベーションとは間取りを変えたり、壁紙や床材などの内装も一新することでより住みやすい環境にすることです。一部の修繕を行うリフォームと比べて、工事の規模も大きくなります。
イメージとしては不具合があるところを元の状態に戻すのが「リフォーム」、元の状態に戻すだけでなく自分たちに都合の良いようにプラスαで付加価値を高めるのが「リノベーション」です。
中古物件の場合、リノベーションを行うことで「物件を購入したときよりも住みやすくする」ということになります。
またリノベーションには以下の種類があります。
リノベーションの種類
- スケルトンリフォーム
- 壁の撤去、増設による間取りの変更
- 耐久性や耐震性を高める工事
- 住宅からオフィス用など用途を変えるための工事
どこまで工事を行うのか、という範囲は業者と相談しつつ決めることができますが、中古物件の場合では一度骨組みだけの状態にしてゼロから内装工事を行う「スケルトンリフォーム」という方法もあります。
スケルトンリフォームは工事範囲が大きいためその分工事期間も長くなります。工期は打ち合わせと工事期間を合わせて、最低でも半年はかかります。
しかし新築を購入したかのように雰囲気を一気に変えることができるので、購入した中古物件の雰囲気を変えたいときにおすすめです。
中古住宅をリノベーションするメリット
中古住宅を購入してリノベーションを行うことで以下のようなメリットがあります。
- 新築に比べて価格が安い
- 物件数が多い
- 自由なレイアウトが可能
新築に比べて価格が安い
中古物件は新築に比べて購入価格が安いということが上げられます。
平成31年2月に公開された国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート」によると2017年の新築マンションと中古マンションの平均価格の差は2,713万円です。
つまり、マンションだと新築よりも中古のほうが3,000万円ほど購入価格が安くなります。
しかしここで気になるのはリノベーションの費用です。「物件の購入費用が安くてもリノベーション費用がかかると意味がないのでは?」と考える方も多いと思います。
2019年にアットホーム株式会社が行った「中古住宅のリノベーション実態調査」によるとリノベーション費用は中古マンションだと平均456万円、中古戸建住宅だと平均672万円です。
リノベーション費用を差し引いたとしても、新築物件を購入するより2,000万円以上お得といえます。
物件数が多い
新築と中古だと中古のほうが流通している物件数は多いです。そのため、新築と比べると中古は希望のエリアや駅の近くで物件が見つかりやすいというメリットがあります。
実際に物件探しをするサイトで、掲載されている新築と中古の物件数を比較してみました。
掲載件数 | 掲載件数 | ||
---|---|---|---|
中古マンション | 22,231件 | 新築マンション | 438件 |
中古戸建て | 6,260件 | 新築戸建て | 12,309件 |
中古合計 | 28,491件 | 新築合計 | 12,747件 |
※対象エリアは東京都のみ(2021年5月31日時点)
今回は細かな条件は設定せずに物件数のみを表示しています。そのため、建物の規模の大小はあると思いますが、中古マンションは新築の50倍ほどの物件数があります。
戸建て物件数は新築のほうが多いですが、中古物件を全体的にみると物件数は多いです。
自由なレイアウトが可能
中古物件をリノベーションすると、自分好みで間取りを決めたり、好きな資材を使って内装にこだわることも可能です。
とくにスケルトンリフォームだと、一度骨組みだけの状態にするので内装はもちろん、キッチンや浴室、トイレなども総入れ替えすることで新しい設備で統一できます。
また、すべてを新しくせずに中古物件の一部を生かすこともできます。とくに古民家だと梁や柱を生かすことで歴史ある雰囲気を残すことも可能です。
このように自由にレイアウトを決めたり、工事の範囲も決められるのが分譲住宅にはない特徴といえます。(分譲住宅=土地とセットですでに完成した建物を売っている物件)
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中古住宅をリノベーションするデメリット
中古住宅をリノベーションする際のデメリットは以下の通りです。
- リノベーション期間があるため入居が遅くなる
リノベーション期間があるため入居が遅くなる
中古物件を購入してリノベーションを行う場合、物件を探す時間やリノベーションの打ち合わせも含めると最低でも半年はかかります。
流れ | かかる時間目安 |
---|---|
1.物件探し・内見・ローン契約・購入 | 約1ヶ月 |
2.現場調査 | 約1~2時間 |
3.レイアウト等の相談・打ち合わせ | 約2.5~3ヶ月 |
4.工事・竣工検査 | 約2.5~3ヶ月 |
5.入居 | 【計6~7ヶ月後】 |
すでに完成している分譲住宅や、住んでいる人のいない中古住宅だと通常は購入から入居までは1~2ヶ月ほどです。ローンの審査を合わせても早くて1ヶ月で入居可能となります。
しかしリノベーションを行う場合は、リノベーション完成後の入居となるので実際に住むことができるのは少し先になってしまいます。
「今住んでいる賃貸住宅の契約が切れてしまう」「小学校の入学に間に合わない」など時間に余裕がないときは、契約更新料などの予算外の出費が出てしまうことが考えられます。
リノベーションにかかる時間も考慮したうえで、計画を立てるようにしましょう。
中古住宅を購入すると住宅ローンが使えるって本当?
今住んでいる家をリノベーションする場合だとリノベーション専用のローンを組むことになります。しかし「中古物件の購入+リノベーション」を一緒に行う場合、リノベーション費用も含めて住宅ローンを組むことができます。
リノベーション専用のローンと比べて、住宅ローンは借りることができる上限金額が高く審査が厳しいという特徴があります。しかし、金利が低く返済期間も長いので長い目でみると負担は少ないです。
また住宅ローンだと「住宅ローン控除」が適用されます。住宅ローン控除とは、マイホームをローンを組んで購入した人を対象に、所得税が一定割合差し引かれる制度です。
リノベーション専用のローンには適用されない制度なので、住宅ローンのメリットといえます。
中古物件ならワンストップリノベーションが便利
ここまで住宅ローンなど様々なことをご紹介しましたが、「いろんな手続きが大変そう」と感じた方も多いと思います。
そのようなときに便利なのが「ワンストップリノベーション」です。ワンストップリノベーションとは、物件購入やローンの手続き、リノベーション工事などを一つの窓口で依頼できるサービスです。
ワンストップリノベーションに対応している業者だと、物件の購入費用とリノベーション費用を合わせた予算を提示して相談できます。
「このリノベーション内容はこの物件だとできない」といった事態も避けられるので、中古物件とリノベーションをお考えの方にはおすすめです。
リノベーションで増築はできる?
マンションだと専有部分のみしか工事を行えないため、リノベーションで増築することはできません。
専有部分とは、基本的に各住戸のことです。リノベーションを行うことができるのは専有部分のみで、それ以外の共有部分である廊下やエントランスは工事できません。
戸建住宅は増築する場合、自治体への確認申請が必要です。増築の内容が建築基準法や条例などに沿っているのか確認するためです。
床面積が10㎡を超える場合は、確認申請が必要なので業者を通して依頼するようにしましょう。個人でも申請できますが、専門知識が必要なことや手間を考えると業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
中古住宅をリノベーションすると、物件を購入したときよりも住みやすくなります。また劣化している部分も補修できるので、購入した物件を長く使うことにも繋がります。新築物件よりも費用を抑えられるので、物件を探している方はぜひ「中古物件を自分好みにリノベーションする」という選択肢もご検討ください。
- リノベーションは間取りも自分好みにできる
- 中古物件のリノベーションは新築よりも約2,000万円お得
- 手続きをひとまとめにできるワンストップリノベーションが便利