古民家リノベーションのメリット・デメリットとは?費用相場も解説

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2025年1月22日
古民家リノベーションのメリット・デメリットとは?費用相場も解説
古民家のリノベーションをお考えの方は、今住んでいる住居や購入した古民家、また相続した古民家の工事を検討していると思います。リノベーションでは間取りを変更したり、好きな資材を使ったりすることで雰囲気を変えることができますが、大規模な工事だからこそ費用面も気になるところでしょう。 この記事では、具体的にどのような工事ができるのか、また古民家ならではのリノベーション費用についてご紹介します。古民家のリノベーションを検討している方はぜひご参考ください。
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ライター:のはら

目次

古民家のリノベーションとは

古民家のリノベーションとは、古民家を一度骨組みだけの状態にして改修を行うことです。柱や梁はそのまま使用するので、古民家の雰囲気を残しつつ建物全体を新しくすることができます。

また設備は現代のものを使うので、使い勝手が良くなります。ちなみに給排水菅も新しくするので、漏水の心配もありません。古民家のリノベーションは住宅だけでなく、カフェやオフィス、民泊に改装する例もあります。

今さら聞けないリノベーションとリフォームの違いとは?

そもそも「リノベーションとリフォームって何が違うの?」と疑問に思う方もいると思います。一般的には間取りの変更などを伴う大規模な工事のことをリノベーションといいます。リフォームはキッチンのみ、浴室のみなど一部を修繕することです。

名称 工事の規模  意味
リノベーション ☆☆ 今の状態でも機能はあるが、プラスαで快適に過ごすために改修を行うこと。
リフォーム 今の状態だと不都合があるため、その部分を修繕すること。
スケルトンリフォーム
スケルトンリノベーション  
(フルリフォーム)
(全面リフォーム)
☆☆☆ 一度骨組みだけの状態にして、壁や水回りなど自由に変更できる工事のこと。

古民家のリノベーションはスケルトンリフォームという分類になります。大まかに上記のような分類になりますが、実際には同じような意味で使われることも多いです。

古民家のリノベーションでできること

古民家のリノベーションは一度骨組み状態にするスケルトンリフォームという方法で工事を行います。壁や床材もすべて新しくする工事だからこそ自由度も高いです。そのため、古民家のリノベーションでは以下の工事も同時に行うことができます。

  • 断熱工事
  • 間取りの変更
  • バリアフリー工事

断熱工事

古民家はもともと風通しが良い作りになっています。そのため夏は過ごしやすいですが、冬は気密性が悪いため暖房費がかさんでしまう可能性があります。古民家のリノベーションでは壁や床、天井に断熱材を施工できます。また細部にテープを貼ることによって気密性も高めることが可能です。

とくに寒い地域だと窓を複層ガラスにするという選択肢もあります。複層ガラスは2枚のガラスが重なった形状で、部屋の内部に冷気を伝えにくい構造になっています。また遮熱性のあるものだと夏の冷房を外部へ逃がしにくくすることも可能です。

複層ガラスには防犯性や防音機能、UVカットの機能を搭載したタイプもあるので、必要に応じて選ぶことができます。

間取りの変更

古民家のリノベーションでは一度骨組みだけの状態にするため、思い切った間取りの変更ができます。そのためキッチンの壁を取り除いて対面式のキッチンにしたり、区切られていた部屋を広い1つの部屋にすることも可能です。

バリアフリー工事

古民家のリノベーションを行う目的として、「自宅の古民家を改装したい」「古民家を購入して田舎でセカンドライフを楽しみたい」という場合もあると思います。

古民家の利用者が高齢である場合や将来のことを考えると、バリアフリー工事を同時に行うことも選択肢の一つです。

昔は現在のように建築基準が明確ではなかったため、古民家だと急な階段がそのままになっている場合もあります。ほかにも土間の段差が高かったり、ドアは内開きになっていることも多いです。古民家のリノベーションでは、床の高さを一部に合わせて平坦にしたり、トイレをベッドの近くに設置することも可能です。

古民家リノベーションのメリット

古民家のリノベーションには以下のメリットがあります。

  • 物件の購入費用や税金は安い
  • 歴史の趣を感じられる

物件の購入費用や税金は安い

古民家リノベーションの費用面のメリットとして以下の点があります。

  • 建物自体の購入費用を抑えられる
  • 住宅ローン減税が適用される
  • 固定資産税が新築と比べて抑えられる

まず中古物件の古民家を購入してリノベーションをする場合、そもそも購入費用が新築物件と比べて安いということが挙げられます。費用としては100万円~1,500万円程度で購入できる物件も多いです。リノベーション費用はかかりますが、「建物の購入費用を抑えたい」という場合に最適です。

またリノベーションでは増改築の住宅ローン減税が適用されます。適用条件として、対象者が所有して居住用の建物であることや、控除を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であることなどがあります。毎年条件等が変わるので、詳しくは国税庁の公式ホームページをご確認ください。

ちなみに増改築のローンとは別に、中古物件購入時にも住宅ローン減税を受けることができます。ただし、1981年以前に建てられた物件だと旧耐震基準になっており適用外になるので、古民家だとあまり期待はできません。

ほかに古民家のリノベーションのメリットとして、新築と比べて固定資産税を抑えられるという点があります。なぜなら固定資産税は築年数が古いほど安くなるからです。

ただし増築をした場合は「新しい建物」とみなされてしまうため固定資産税額は上がってしまいます。

固定資産税を抑えたい場合は、増築せずに既存の建物内で工事を行いましょう。工事範囲など該当するのかという点はリノベーション業者に確認すると安心です。

古民家ならではの趣を感じられる

古民家は梁がむき出しになっていたり、天井が高いという特徴があります。また木材が主に使われているので、木の香りを楽しむこともできます。ちなみに古民家に使われている木材の寿命は、ヒノキだと1200年、ケヤキは800年です。これらの資材は現在では手に入りにくいので、古民家ならではの特権ともいえます。

古民家リノベーションのデメリット

古民家リノベーションのデメリットは以下の通りです。

  • 耐久性に問題がある場合がある
  • リノベーションの費用は高くなる

耐久性に問題がある場合がある

古民家に明確な定義はありませんが、一般的に築年数が50年以上経ったものが「古民家」とされています。1981年以前に建てられた建物は現在の耐震基準ではなく、旧耐震基準に沿って建てられているため、十分な耐震性がない可能性があります。耐震性の問題がある場合は、リノベーション時に補強工事を行うことが可能です。

リノベーション自体の費用は高くなる

古民家に耐震工事や断熱工事などを行う場合、一般的な中古住宅のリノベーションと比べて、リノベーション費用は高くなります。新築に比べて費用は抑えられるというメリットはありますが、一度骨組みだけの状態にするため、廃材の処分費などもかかるのでその分上乗せされます。

とくに水回りなどは、工事を開始してから腐敗している箇所が見つかることもあります。その場合は追加費用が加算されるので、事前に余裕をもって予算を組むことが大切です。

古民家リノベーションでかかる費用

古民家のリノベーションでかかる費用はおよそ1500万円~4000万円です。敷地の広さによっても費用にばらつきがあるので幅が広いですが、多いのは1000万円~2000万円の範囲です。

古民家のリノベーションを依頼する業者として、「全国展開する大手リノベーション業者」や「地域で展開するリノベーション業者」「地元の工務店」があります。地元の工務店だと広告費用をかけていないことが多く、その分費用が安くできる傾向があります。

またリノベーションは複数の業者から相見積もりを取ることもおすすめです。事前に見積もりのみの依頼であることと、見積もりが無料であるのかを確認した上で2~3社を目安に相見積もりを取りましょう。多くの業者で見積もりを取りすぎると、対応が煩雑になるので少数の業者に絞るのが適切です。

まとめ

古民家のリノベーションは、一度骨組みにすることでレイアウトを大幅に変更したり、資材も好きなものを選べるなど自由度が高いです。しかし、その分リノベーション自体の費用は高くなる傾向があるので、資材のランクを下げたり、地元の工務店を利用するなどの工夫をして費用を抑えることが大切です。

また増改築の住宅ローン減税や自治体によっては地域活性化のための制度を設けているところもあります。条件を確認の上、これらの制度を活用するのもおすすめです。

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