洗面台と洗面化粧台の違い
「洗面台」と「洗面化粧台」は混同して使われることも多いですが、定義として以下の違いがあります。
洗面台 | 洗面ボウルと呼ばれる受け皿と蛇口がついており、手洗いや歯磨きなどができる |
洗面化粧台 | 洗面台に加えて鏡や収納、小物置きなどの機能がついている |
上記のような違いはありますが、洗面台も洗面化粧台も取り扱いのあるメーカーは同じです。どちらにしてもリフォームの依頼先は、住宅設備業者やリフォーム業者になります。
本記事では便宜上、洗面台(洗面化粧台)としてご紹介します。
洗面化粧台には2種類ある
洗面化粧台には「ユニットタイプ」と「システムタイプ」の2種類があります。デザイン性にこだわりがなく規格品で問題なければユニットタイプ、自由度が高いほうが良ければシステムタイプを選びましょう。
ユニットタイプは一体型になっている
ユニットタイプは、設備業者で規格品として鏡、収納、洗面ボウルがセットになっているタイプです。システムタイプと比べて価格は安く、シャワーヘッドを取り付けているものなど種類も豊富です。
セット品とはいえ、水栓や洗面ボウルの種類などは決められた商品の中から好きなものを選ぶことができます。
システムタイプは自由に作れる
システムタイプは、カウンターを直接洗面所の壁に設置するタイプです。鏡も壁に取付けて、洗面の下部分をオープンにしたり、収納を取り付けたりできます。また洗面ボウルやカウンターなどの素材を選べるので、デザイン性にこだわることができます。
洗面台のみを変えるか?内装も変えるか?
洗面台のリフォームには洗面台(洗面化粧台)のみを変える場合と内装工事も一緒に行う場合があります。
洗面台を交換する場合と内装工事も行う場合では最低でも5万円ほどの差がありますが、壁紙などの資材によっても価格は異なります。
工事内容 | 費用相場 |
---|---|
洗面台のみ交換 | 約10~25万円 |
洗面台と内装をリフォーム | 約15~50万円 |
内装費用は壁紙と床材の張替のみだと4万円~5万円です。壁紙や床材は耐水性のある素材にすると、水が跳ねても拭き取りやすくお手入れもしやすくなります。
また洗面所に洗濯機がある場合、壁紙や床材の張替のために洗濯機パン(洗濯機を置くための台)も取り外す必要があります。その場合は5,000円~3.5万円が追加となります。
洗面台の交換だけだと半日~1日で終わる
洗面台だけを交換する場合は、半日~1日で作業が終了します。また壁紙や床材の張替を追加した場合でも1日で終わることが多いです。
ただし、洗面所の壁を補強する場合など大規模にリフォームする場合は1~4日かかります。
【洗面台のみを交換する流れ】 1.廊下を養生する 2.既存の洗面台の解体と搬出(水道元栓の閉栓) 3.(壁紙、床材の張替) 4.新しい洗面台の搬入・給排水の接続 5.通水、漏水チェック |
【洗面所全体をリフォームする場合】 1日目:養生、既存の洗面台の解体と搬出、新しい給排水の工事 2日目:壁や床の補修工事、壁紙や床材の張替 3日目:新しい洗面台の搬入・給排水の接続・通水漏水チェック |
洗面台のリフォーム期間は、使用する資材や工事内容によって変わるので、リフォームを依頼するときは「どのくらいの期間水が使えないのか」も含めて確認するようにしましょう。
洗面台を選ぶ5つのポイント
洗面台(洗面化粧台)を選ぶポイントは以下の5つです。
・洗面化粧台のグレード ・洗面ボウルの素材 ・洗面ボウルまでの高さ ・1面鏡か3面鏡か ・洗面ボウルの形状 |
洗面化粧台のグレードから選ぶ
洗面化粧台には3つのグレードがあり、グレードによって費用が異なります。以下はグレード別の費用相場です(設置費用は含みません)。
ローグレード | 間口サイズ | 費用相場 |
---|---|---|
600mm | 約3万円~ | |
750mm | 約4万円~ | |
900mm | 約8万円~ |
ローグレードの洗面化粧台は鏡の裏に収納がなく、照明も簡素な作りになっています。また最も安い3万円前後のものだと、間口(横の幅)が600mmと狭いので周囲に水が跳ねやすいです。しかし省スペースで最低限の機能が備わっているので、設置スペースが限られる場合には最適です。
ミドルグレード | 間口サイズ | 費用相場 |
---|---|---|
600mm | 約5万円~ | |
750mm | 約7万円~ | |
900mm | 約9万円~ |
ミドルグレードは鏡の裏に収納がついており、照明もローグレードと比べるとデザイン性のある作りになっています。ローグレードと比べて収納が増えているタイプもあり、頻繁に使う方に最適です。
ハイグレード | 間口サイズ | 費用相場 |
---|---|---|
600mm | 約14万円~ | |
750mm | 約16万円~ | |
900mm | 約20万円~ |
ハイグレードは鏡が3面になっていて、大きいサイズのラインナップも多いです。引き出しが付いており、その分収納スペースも増えています。デザイン性があるほか、シンクも広い作りになっているので周囲に水が跳ねにくいという利便性もあります。
洗面ボウルの素材から選ぶ
洗面ボウルとは水を受ける器の部分です。この洗面ボウルにも素材に違いがあります。とくに陶器は多くの洗面台で使用されています。
素材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
【陶器】 | ・デザイン性がある ・キズが付きにくい | ・強い衝撃が加わると割れてしまう ・重いため土台の設計をしっかりとする必要がある |
【ホーロー】 | ・キズがつきにくい ・耐火性がある ・酸やアルカリなどの成分に強い | ・錆びることがある ・数が少ない |
【樹脂】 | ・割れにくい | ・キズがつきやすい ・高級感がない |
洗面ボウルまでの高さは「身長の半分」にする
洗面ボウルまでの高さは利用者の身長の半分ほどが基本です。洗面ボウルまでの高さは75cm、80cm、85cmが展開されています。この中から適切な高さを選びましょう。以下は洗面台の高さの目安です。
身長 | 洗面台の高さ |
---|---|
155cm | 75cm |
160cm~165cm | 80cm |
170cm以上 | 85cm |
洗面ボウルまでの高さが低すぎると腰を痛める原因になります。また高すぎると水が肘をつたって使いづらくなってしまいます。小さいお子様がいる場合は踏み台などを用意して調節する必要がありますが、ご家族の身長にあわせて選ぶのも重要です。
3面鏡だと利便性が高い
洗面化粧台には鏡が1面~3面まで設置されています。安価な洗面化粧台だと1面のみで、鏡の裏側に収納がついていないものもあります。2面以上だと鏡の裏に収納がついているものが多いです。
洗面化粧台が人の目につきやすい場所にある場合は、鏡の裏に収納があるタイプを選ぶのもよいでしょう。歯ブラシやコップ、化粧水やドライヤーなどを収納できます。また埃を被らないので、小物の掃除の負担も減ります。
また3面鏡だと両側の鏡を内側に開けることによって、自分の顔の側面も見ることができます。普段見えにくい箇所のお手入れもできるので、化粧や髪のセットなどに役立ちます。
洗面ボウルの設置方法
洗面ボウルの設置方法にも違いがあります。とくにシステムタイプの洗面化粧台をお考えの場合、見栄えや使い勝手にも影響するのでご参考ください。
設置方法 | 概要 |
---|---|
【置き型】 | ベッセル型ともいわれます。オブジェのように設置できるので、デザイン性が高いです。ただしボウルの周りに隙間が多いので、お手入れに手間がかかるというデメリットがあります。 |
【埋め込み型】 | アンダーカウンタータイプともいわれます。ボウルとカウンターに段差がないので、拭き取り掃除がしやすいのが特徴です。 |
【半埋め込み型】 | 洗面ボウルの一部が上に出ているタイプです。カウンターと洗面ボウルに段差があるので、拭き取り掃除はしにくいです。しかし埋め込み型と比べて、下の収納スペースは広くなります。 |
【カウンター一体型】 | カウンターと一体になっているタイプです。隙間がないので、お手入れしやすくスタイリッシュなデザインになります。 |
まとめ
洗面所のリフォームは、洗面台のみを交換する場合と内装含めてリフォームする場合があります。洗面台の大きさを変える場合は、床材や壁紙に跡が残っている可能性があるので、合わせて内装も変えると見栄えが良くなります。
また洗面台にも様々な種類があるので、ショールームに行ったりカタログを取り寄せて検討してみるのもおすすめです。住宅設備業者の公式ホームページでは、オンラインのカタログを見ることもできます。
▼この記事のまとめ ・セットで揃えたいならユニットタイプ、こだわりたいならシステムタイプにする ・洗面化粧台にはグレードがある ・内装含めて1日以内に終わるが、大規模だと最大4日かかることもある ・身長の半分の高さが基本 ・洗面ボウルの形状や素材にも様々な種類がある |