戸建てのリフォーム・フルリフォーム
戸建てのリフォームには、大きく分けて2つの方法があります。
今お住まいのお家の状態や、リフォームの目的などから適切な方法を選びましょう。
リフォーム
1つは、住宅の失われた機能や美観を元通りに回復する方法です。外装や屋根、水回りは経年劣化がみられやすく、10~20年ほどで原状回復のためのリフォームを推奨しています。
劣化の状態にかかわらず、壁面は解体せずに壁紙の張り替えや塗り替えを行ったり、キッチンや洗面所のみリフォームを行ったりなど、住宅の一部分のみを改修します。
フルリフォーム
2つ目は、家族構成やライフスタイルに合わせて、内装や外装、間取りまで全面的にリフォームする方法です。
建物の骨組みだけ残して1からリフォームする方法を「スケルトンリフォーム」と呼びます。
また、あえて中古の戸建てや中古マンションを購入して自分好みに改修するケースもあり、そういった付加価値をつけるリフォームを「リノベーション」ともいいます。
戸建てフルリフォームのメリット
戸建てをフルリフォームすることにはどんなメリットがあるのかご紹介してきます。
耐震性の向上
1981年の建築基準法以前に建築された住宅は、現在の耐震基準を満たしていないものがほとんどです。平成30年時点で、耐震性不足とされる住宅は約560万戸あるとされています。そのため、1981年以前に建てたお住まいは耐震補強を行うことをおすすめします。
フルリフォームでは、骨組み以外のすべてを解体し、柱や梁といった壁内部に耐震材を施工する工事を行います。
間取りを大きく変更できる
部分的なリフォームでは、既存の間取りの影響を受けてしまい、思い通りのリフォームを行えない可能性があります。
フルリフォームであれば、家族構成やライフスタイルに合わせた大掛かりな間取り変更が可能です。
水回りのリフォームがまとめてできる
お風呂や洗面所、トイレなどの水回りの寿命は約20年とされています。
部分的にリフォームを行うことも多い水回りですが、フルリフォームでまとめて一新するほうが個別にリフォームするよりも費用を抑えやすいです。
断熱性の向上
部分的なリフォームの場合、一部の壁を撤去し、そこから断熱材を入れて補修を行う流れになります。フルリフォームの際は、壁の新設と同時に断熱材を入れることができます。
部材や設備を一新できる
外壁や屋根などの外装材の寿命は30年ほどとされています。築30年以上経過した住宅は、部材や設備の多くが寿命を迎えていることになります。フルリフォームにより、これらの部分も一新することが可能です。
戸建てリフォームの費用相場
戸建ての築年数ごとに、おすすめのリフォーム内容と費用相場をまとめました。
築年数 | おすすめのリフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|---|
築15年~30年 | 水回り設備の交換 クロス・床張り替え 屋根・外壁塗装 |
500万円前後 |
築30年~40年 | 内装のみスケルトンリフォーム 屋根・外装塗装 |
1,000万円~1500万円 |
築50年~ | 内装・外装スケルトンリフォーム | 1,800万円前後 |
築20年ほど経過すると水回り設備が寿命を迎え始めるため、まとめてリフォームすることをおすすめします。内装の劣化具合によっては、クロスや床を張り替えたり、屋根や外壁塗装も行うと良いでしょう。
築30年以上経過した戸建ては、配管の老朽化により漏水リスクが高まったり、耐震補強が必要になる場合もあります。住宅の根本的な機能を回復させる必要があるため、スケルトンリフォームを検討することをおすすめします。
【価格帯別】戸建てリフォームでできること
ここでは、価格帯別でどのようなリフォームが可能なのかをご紹介します。
費用500万円~800万円
フルリフォームまでは難しいですが、間取りの変更が可能な価格帯です。リビングと和室をつなげて広々としたリビングダイニングにしたり、劣化がみられる壁紙や床を張り替えたりなど、室内の雰囲気を一新することができます。
費用800万円~1000万円
500万円~800万円の価格帯の内容に加えて、大きな間取り変更を行うことが可能です。間取りを変更して最新の設備を導入したり、色や素材を揃えたりなど、オシャレな住まいにすることもできます。
キッチンとリビングダイニングをつなげたい、奥まっていて暗いので間取りを変更したいといった場合、水管工事も含めたキッチンの配置換えを行い、リビングの一部を増築し空間を広げてアイランド型キッチンを設置するなどのリフォームを行うことが可能です。
費用1000万円以上
戸建てであれば、大きな間取り変更に加え、デザイン性や断熱性のさらなる向上が実現できます。
窓や扉といった開口部の結露や騒音に配慮したり、冬場の寒さを解消したりすることも可能です。室内の壁紙には消臭効果や調質性の高い珪藻土を使用したり、収納スペースを充実させたりすることもできます。
また、建物を骨組み状態にして基礎から補強することで耐震基準を上げたり、壁を撤去して開放的なリビングをつくりだすなど、フルリフォームが可能な価格帯です。
費用を抑えて満足のいくリフォームをするコツ
フルリフォームを考える際は、ある程度の予算上限を決めていても理想や要望は増えてしまい、予算オーバーしがちです。費用を抑えながらも満足度の高いリフォームを行うにはどうしたら良いのでしょうか。
地元の工務店に依頼する
どのリフォーム会社に依頼するかによっても、費用は大きく変動するものです。
できるかぎり費用を抑えたい場合は、小規模な優良工務店に依頼してみると良いでしょう。
小規模工務店は広告宣伝費などに経費をかけていないところが多いため、その分のコストを上乗せされることが少ないです。そのため、大手や中堅のリフォーム会社よりも比較的リーズナブルにリフォームを行うことができます。
複数の業者に見積もり依頼をする
できるかぎり費用を抑えるには、複数の業者に相見積もりを依頼することが重要です。
リフォームは規模が大きくなればなるほど費用にも差が生じやすいです。
最低でも3社から詳細な見積もりをもらい、内容までしっかりと比較することで、費用を抑えながらも希望通りのリフォームを実現することができます。
住宅ローンを活用する
リフォームは1,000万円を超える高額な費用が必要になることもあるため、ローンを利用したいという方も多いかと思います。住宅に関するローンである「リフォームローン」と「住宅ローン」には一体どういった違いがあるのかをご説明します。
リフォームローン
「有担保型」と「無担保型」があり、住宅の増改築・修繕の際に利用可能で、新築工事では利用できません。
「有担保型」は、住宅を担保に設定するという点では住宅ローンとほぼ変わらないしくみです。住宅の状態によって借入額が変動する点が、住宅ローンとは異なります。
「無担保型」は、比較的簡単な手続きかつ無担保で借入が可能です。ただし、有担保型と比べて借入限度額が低く、返済期間が短いことや金利も高額であることから、費用が高くなりがちな大規模リフォームには向いていません。
住宅ローン
所有済みの住宅リフォームを行う場合、借り換えた住宅ローンにリフォーム費用を組み込むことができます。
また、中古の戸建てを購入してリフォームを行う場合、物件購入費用とリフォーム費用を合算してローン申請を行うことが可能です。
住宅ローンは担保が必要なことや審査が厳しく時間がかかる点がデメリットですが、他のローンに比べて低金利なところがメリットです。
まとめ
戸建てのリフォームは、築年数が浅ければ部分的なリフォームでも良い場合がありますが、築30年以上経っている場合は劣化状況も鑑みてスケルトンリフォームを検討しても良いでしょう。
リフォーム会社を選ぶときは、複数社から見積もりをもらったり、しっかりと説明を聞いたりなどして、信頼できる会社に依頼することをおすすめします。
ここまでご覧いただきありがとうございました。