戸建てのリノベーションとは?
お家のあらゆる工事を総称して「リフォーム」という言葉が使われてきましたが、近年では「リノベーション」という言葉もよく聞くようになりました。
「リフォーム」は、表装工事やキッチンの交換など、原状回復の意味合いがあります。
それに対し「リノベーション」は、老朽化した住宅をもとの状態に戻し、さらに新たな価値や性能を付加することです。
戸建てのリノベーションは、住宅の内装や外装をすべて解体して、骨組みの状態から作り直します。家族構成や住居環境の変化に合わせて、より住みやすい家に仕上げることが可能です。
戸建てをリノベーションするメリット
今お住まいの戸建てを建て替えようとお考えの方は、もしかするとリノベーションのほうがメリットが大きい場合があります。
建替えと比べた際のリノベーションのメリットをご紹介します。
費用を抑えられる
リノベーションの大きなメリットの一つは、建替えとくらべて費用が格段に抑えられる点です。基礎や柱はもとの家のものを使うため、その分の費用を削減できます。
また、建替えでは行政書士への申請とその費用が必要になりますが、リノベーションはあくまでリフォームの扱いになるため申請や費用も不要になります。
建築当時の基準のまま建て直せる
現行の建築基準法は、家の敷地が幅4m以上の道路に2m以上接していないと建てられないという接道義務がありますが、基準が変わる前に建てられた住宅では幅が4mに満たないことがあります。そのため、建替えの場合は建築面積が少なくなるケースがあります。
しかし、リノベーションは現行の建築基準法が適用されることがなく、建築当時の基準のまま対応できるため、住宅面積が小さくならないというメリットがあります。
理想の住宅を実現できる
戸建てのリノベーションは、間取りの変更など細かな場所までこだわることができるため、自分好みの住宅に仕上げることができます。
さらに、建替えをしなくとも、耐震や断熱対策を新築レベルまで引き上げることが可能です。築30年以上の家は、現行の耐震・断熱基準を満たしていないことが多いため、リノベーションを行うことで家の本質的な機能を向上させることができます。
戸建てのリノベーションをしないほうが良い場合
戸建てはリノベーションしたほうがメリットが大きい場合もありますが、中にはリノベーションに向いていない戸建ても存在します。
基礎がボロボロ
戸建てのリノベーションは、家を解体し、元ある基礎や柱を再利用します。しかし解体してみると、シロアリの被害に遭っていたり、そもそも基礎がなかったりなど、基礎の補強だけに収まらず結局建て替えたほうが安く済むというケースもあります。
まずは建築士などの専門家に見てもらい、リノベーションに適している家かどうか見極めてもらうと良いでしょう。
間取り変更に制限がある
『2×4(ツーバイフォー)工法』や『プレハブ工法』で建てられた戸建ては、抜けない柱や壁が多く、間取りの変更が制限されてしまいます。
リノベーションする際は、どの程度間取りが変えられるか、建築士などの専門家に確認してもらうことをおすすめします。
戸建てのリノベーション費用・期間
戸建て住宅をリノベーションする費用は、350~2,500万円ほどです。工事の内容や範囲によって異なりますが、坪単価10~73万円程度が目安となります。複雑な内容の工事でなければ、40万円/坪以内で収まる場合が多いようです。
場合によっては人件費や運搬交通費、廃材処分費などが多めにかかることもあるため、具体的な費用が知りたい場合は、リフォーム業者に詳しい見積もりを依頼してみましょう。
また、施工期間は工事内容などによって変わりますが、1ヶ月~4ヶ月程度を想定しておいたほうが良いでしょう。
大規模な工事になることから工期は長期間に及ぶため、仮住まいの用意が必要になるケースが多いです。その場合は、当然ながら仮住まいの費用が別にかかることになります。
施工会社によっては仮住まいの手配や引っ越しのサポートを行ってくれる場合もありますので、必要な方は相談してみると良いでしょう。
中古戸建てを購入してリノベーションする選択肢も
近年では、リノベーションをする前提で築年数の経った中古住宅を購入する人も増えています。人気のエリアでもタイミングが合えば良い物件に出会いやすく、リノベーション費用も抑えやすい点が大きなメリットです。
中古住宅は築20年以上経つと、建物の価格がほぼ0円になるとも言われています。住宅の設備や構造によっても異なりますが、年数の経った建物はほぼ土地価格だけで手に入ることも多いです。
その分浮いたお金は内装や設備のグレードアップ、増築費用に充てることができるなど、新築よりも選択肢が広がります。
しかし前項目で述べたように、中古住宅においても基礎がボロボロだったり、間取り変更に制限が生まれるケースもあります。
解体してみないと住宅のダメージに気づけない場合もあるため、瑕疵があるかもしれないことを念頭におき、予算を多めに用意しておくことをおすすめします。
リノベーション会社を選ぶポイント
リノベーション会社はそれぞれ違う特徴があり、得意分野も異なるため、ご自身の希望や好みに合った業者選びが必要です。
業者の得意分野と自分の目的が合っているか
中古物件選びなどの不動産系に強い業者や、デザイン性の高さが特徴の設計・建築家系の業者、中古物件探しからリノベーションまで一括で行うワンストップ業者など、得意分野や特徴はさまざまです。
こうした会社ごとの特徴をしっかりと理解し、自分が希望するリノベーションの内容を実現できる会社を選びましょう。
施工実績や事例が豊富か
ほとんどの業者のホームページやパンフレットには、過去の施工実績や施工事例が載っているため、自分の希望と似ている事例を探してみましょう。
写真や間取り以外にも、物件の面積や費用、工期といった情報にも注目し、予算やスケジュールなどのイメージをつかんでおくと良いでしょう。
対応が適切で丁寧か
自身や家族が快適に暮らせる住まいを実現するためには、完成までに何度も打ち合わせを重ね、内容をしっかりと詰めていくことが重要です。
自身や家族の思いに寄り添い、打ち合わせやささいな相談ごとにも細かく丁寧に対応してくれる会社を選ぶようにしましょう。
アフターサービスがしっかりしているか
これから何十年と暮らしていく大切な住まいですから、リノベーション後のアフターサービスが充実しているかどうかも重要です。
どれくらいの期間、どのような保証があるのか、定期点検はあるのか、緊急時でも対応してくれるのかなど、詳しい内容をよく確認しましょう。
ローンや工期などについても知見が深いか
リノベーションをする際はその施工内容について重要視しがちですが、予算やローン、工期といった条件が無理なく実現できるかどうかも重要なポイントです。
このように素人判断が難しいことは業者と相談しながら考えていくことになるため、知見が深く、安心して相談できる業者かどうか見極めることが大切です。
施工現場を見せてもらえるか
施工現場がきれいに整えられているかどうかも、リノベーション会社選びの重要なポイントです。
現場の整理整頓がきちんとなっているか、細かな部材が落ちていないか、丁寧に養生されているかどうかなども判断材料となりますので、施工現場を見せてもらえるようであればチェックしてみると良いでしょう。
まとめ
戸建ては建て替えるよりも、リノベーションのほうがメリットが多いかもしれません。いまお住まいのお家はどちらのほうが最適なのか、リノベーション会社や建築士に相談してみることをおすすめします。
- 戸建てはリノベーションより建て替えが適切なケースもある
- 費用は施工内容によって大幅に異なるのでまずは業者に詳しい見積もりを依頼しよう
- 中古戸建てを購入してリノベーションするメリットも多い
- リノベーション会社選びは慎重にしよう