在来浴室とユニットバスの違い
リフォームする際はどのような浴室にしたいか具体的にイメージしておいたほうが良いため、まずは浴室について簡単に知っておくと良いでしょう。
浴室には大きく分けて「在来浴室」と「ユニットバス」の2つの種類があります。
在来浴室
在来浴室(在来工法)は昔ながらのタイル張りの浴室です。檜風呂にしたい、ガラス張りの浴室をつくりたいなど、自分好みにオーダーメイドできます。
浴槽のサイズや材質、窓やシャワーの位置、床や壁の素材やデザインなど、こだわりがある方にぴったりの工法ですが、そのぶん費用も高額になりやすいです。
ユニットバス
工場生産された浴槽や壁などのパーツを現場で組み立てて造る浴室です。在来浴室に比べて安価な費用と短期間の工期で済みます。
浴室や浴槽のサイズや材質などは決まったパターンから選択するため、すべてを自分好みにすることは難しいですが、オプション機能やパーツなどでカスタマイズできます。
リフォームの費用と工事期間
工事内容 | 費用相場 | 工事期間 |
---|---|---|
ユニットバス→新しいユニットバス | 60~120万円 | 3~5日 |
在来浴室→ユニットバス | 60~150万円 | 1週間~10日 |
在来浴室→新しい在来浴室 | 60~200万円 | 2週間~1ヶ月 |
浴室の拡張・増築・移動 | 75~250万円 | 拡張:1週間~1ヶ月 |
増築・移動:2週間~1ヶ月 |
浴室リフォームの費用や工期は以下の条件によって変わってきます。
- 今の浴室の状態
- 新しい浴室のグレード
- 浴槽の大きさ
マンションの住宅の場合、浴室リフォームの費用相場は、60~100万円ほどです。
一戸建ての住宅の場合は浴室面積が広くとられていることもあり、100~120万円と少し相場が高くなります。
浴槽の素材別価格表
一概に浴槽といってもさまざまな素材があり、費用も変わってきます。
それぞれに特徴があるので、浴槽にこだわりたい方は素材から選ぶのもおすすめです。
素材 | 費用相場(平均サイズの浴槽) | 特徴 |
---|---|---|
FRP(強化プラ) | 15~25万円 | 一般的によく使用される、安価で防水性に優れた素材。各メーカーからさまざまな製品が出ていて選択肢が多い。 高級感のある浴槽が好みな人には不向き。 |
人工(人造)大理石 | ポリエステル系:20万円前後 アクリル系:50~70万円 |
高級感のある見た目で、傷が付きにくく耐久性に優れている。 ただし、ポリエステル系のものはアクリル系と比べると研磨剤や溶剤には弱い。FRPよりもやや高価。 |
ホーロー | 30~60万円 | ガラス特有の光沢が特徴で、汚れや菌に強く掃除しやすい。保温性が高いのでお湯が冷めにくい。 金属を使用しているので錆びが発生しやすい。重量があるので2階以上の設置には不向き。 |
ステンレス | 10~25万円 | 保温性も高く、冬場でも冷めにくい。錆びにくく汚れもつきにくいので掃除がしやすい。 一方で傷が付きやすいのでタワシやクレンザーなどでのこすり洗いは厳禁。 |
檜(ひのき) | 30~50万円 | 浴槽の素材としては最高級で、リラックス効果のあるひのきの香りを楽しめる。近年はコーティング技術の向上によりお手入れがしやすくなった。 他の素材と比べると費用が高くなりやすい。 |
リフォーム会社によっては、仕入れ状況により値下げしてくれたり、型落ちした商品を活用することで費用を抑えてくれることもあります。
業者のプランニング次第でかなり費用を抑えられるケースもありますので、いくつかの業者に相見積もりを取って比べてみることをおすすめします。
「浴室リフォーム」と「浴槽交換」どちらがおすすめ?
浴室リフォームは浴室まるごと一新したり空間を広くしたりなど大規模な改築・改装を行いますが、浴槽交換は浴槽だけを交換する工事です。
浴槽の寿命は15年~30年ほどと言われており、長く使えば使うほど不具合も起こりやすいです。また、入浴は生活する上で欠かせないものですから、浴室や浴槽に不便を感じ始めることもあるでしょう。
そうなると浴槽交換を行うか、この機会に浴室まるごとリフォームを行うかを考えることになります。
あなたのご家庭はどちらのほうが適しているのかを判断できるヒントをお伝えしていきます。
浴室リフォームと浴槽交換を分けるポイント
浴室や浴槽に不具合や不便を感じ始めたとき、思い切ってリフォームするか浴槽だけ交換するか迷いますよね。判断しやすいポイントをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
家族のライフステージ
家族構成やライフスタイルが変化することでリフォームを考える方も多いかと思います。
お子さんが産まれたり、高齢のご家族がいらっしゃる場合は、段差を解消したり手すりを増やしたりなど、内装を含めてリフォームするのもおすすめです。誰が利用するのか、どうすれば快適に利用できるかを考えてプランを練るのも大切なことです。
もちろん浴槽の交換だけでも使い勝手を向上させることは可能なので、まずは浴槽だけを交換して、段階的にリフォームを行っても良いでしょう。
費用対効果
浴槽交換や浴室リフォームを行うことで、それぞれどのような効果が生まれるかを考えることも重要です。
浴槽交換だけでも掃除がしやすくなったり省エネ性が向上したりなどのメリットはありますが、さらに性能や快適性を向上させるならリフォームのほうが適しています。
しかし、リフォームは浴槽交換よりも多くの費用がかかります。費用をかけることでどのような暮らしが実現できるのか、将来を見据えながら考えることも大切です。
現在の浴槽タイプから考える
浴槽にはいくつかのタイプがありますが、「埋め込みタイプ」の浴槽の場合、浴槽を撤去する際に周囲の床や壁も壊すことになるため、修復工事も同時に必要になります。そのぶん工事費用が割高になってしまうため、思い切ってリフォームに踏み切っても良いかもしれません。
また、「据え置きタイプ」の浴槽は床や壁を解体する必要がないため、埋め込みタイプの半分ほどの費用で浴槽交換できる場合が多いです。
浴室リフォームの際のポイントや注意点
浴室のリフォームを行う前にやっておくべきポイントをいくつかご紹介していきます。
ショールームで実物を確認する
メーカーのホームページやカタログなどでも浴室の見本を見ることはできますが、実際にショールームなどで実物を確認することをおすすめします。
浴室の中に入ってみたり、材質などを手で触れてみたりすることで、サイズ感や質感などが分かるので、リフォーム後のイメージがつきやすくなります。
近隣へ挨拶する
集合住宅であれば、近隣住民が多数存在しますので、工事のお知らせは忘れずに行いましょう。工事内容や工期、時間帯など、できるだけ詳しく伝えられるとベストです。
リフォーム業者によっては代わりに挨拶をしてくれる場合もありますので、あらかじめ確認しておきましょう。
マンションの規約を確認する
マンションの浴室リフォームをお考えの方は、まずはマンションの規約を確認しましょう。
マンションには管理規約や使用細則といった居住する上でのルールが定められていて、リフォームに関する記載もあります。
マンションによって出来ないリフォーム内容があったり、リフォーム自体が禁止されていることもあるため、必ずチェックしておきましょう。
また、管理会社への申請などが必要な場合もあるので、まずは管理会社に相談してからリフォームを行いましょう。
見積もりは複数の業者から取る
リフォームすることを決めたら、まずは複数のリフォーム業者から見積もりを取り、費用やプランを比較することが大切です。
「一番安いから」という理由だけで決めてしまうことは危険です。なぜなら、仕上がりが良くなかったり、予定と違う工事内容になっていたりなど、トラブルに発展することも実際にあるからです。『なぜ他社より安いのか』という理由を明確にしていて、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
また、希望のリフォーム内容は具体的であればあるほど詳しい見積もりを出してもらえるため、要望はできるだけ詳細に伝えることをおすすめします。
まとめ
浴室のリフォームを行う際は、費用が気になる方が多いかと思います。リフォーム業者を複数比較しながら、納得できる費用とプランでリフォームを行いましょう。
- 浴室リフォームの費用や工期は、新設する浴室のグレードや素材などにより変わる
- 家族のライフステージや費用対効果をよく考えてリフォームを行いましょう
- 複数社から相見積もりをして、信頼できる業者を探しましょう